歯周病について知ってほしい! 第23号 歯ぐきが腫れた。これって歯周病? - 武蔵小山 よしだ歯科クリニック|痛みの少ない丁寧な治療

歯ぐきが腫れる原因と受診の目安

「歯ぐきが腫れているけど、これって歯周病?」

「しばらくすると腫れが引くから、放っておいても大丈夫?」

歯ぐきが腫れると、歯周病を心配される方は多いと思います。

たしかに、歯周病は歯ぐきが腫れる代表的な原因の一つです。

しかし、歯ぐきの腫れは歯周病だけで起こるわけではありません。

歯の根の炎症や、歯と歯の間に異物が挟まった場合、親知らずの周囲の炎症など、さまざまな原因があります。

そのため、

「歯ぐきが腫れた=歯周病」ではありません。

大切なのは、どこが、どのように腫れているのか、ほかにどんな症状があるのかを確認して、原因を見極めることです。

この記事では、歯ぐきが腫れる主な原因と、歯周病かどうかを確認するポイントについて、わかりやすく解説します。


歯ぐきが腫れる主な原因

歯ぐきの腫れには、さまざまな原因があります。

代表的なものを見ていきましょう。

① 歯肉炎・歯周炎による炎症

歯ぐきが腫れる原因として、まず考えられるのが歯肉炎や歯周炎による炎症です。

歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)が付着すると、プラーク中の細菌によって歯ぐきに炎症が起こります。

初期には、

  • 歯ぐきが赤くなる
  • 歯ぐきが腫れる
  • 歯みがきで血が出る
  • 歯ぐきがブヨブヨする

などの変化が見られます。

この段階では、炎症は主に歯ぐきに限られています。

しかし、炎症が長期間続くと、歯を支える組織にまで影響が及び、歯周炎へ進行することがあります。

「腫れている=重度の歯周病」ではありません

ここも重要です。

歯ぐきが腫れていても、それだけで歯周病の進行度を判断することはできません。

歯周ポケットの深さ、プロービング時の出血(BOP)、歯の動揺、レントゲンで確認できる歯槽骨の状態などを総合的に確認する必要があります。


② 歯の根の先に炎症が起きている

歯ぐきの腫れが、特定の歯の周囲だけに限られている場合には、歯の根の先に炎症が起きている可能性もあります。

むし歯が進行して歯の神経に炎症が起きたり、神経を取った歯に再び感染が起きたりすると、歯の根の先に炎症が起こることがあります。

その場合、

  • 歯を噛むと痛い
  • 歯が浮いたように感じる
  • 歯ぐきの一部分が腫れる
  • 腫れた部分から膿が出る

などの症状が出ることがあります。

この場合は、歯周病とは異なる原因で歯ぐきが腫れている可能性があります。

「歯ぐきが腫れたから歯周病」と決めつけず、腫れている歯そのものの状態も確認することが大切です。


③ 歯と歯の間に食べ物などが挟まっている

意外に多いのが、歯と歯の間に食べ物などが挟まり、その周囲の歯ぐきが炎症を起こしているケースです。

特定の場所だけが急に腫れて、

「昨日からここだけ痛い」

「食べ物がいつも同じ場所に詰まる」

という場合には、一度歯と歯の間を確認する必要があります。

歯間部は歯ブラシだけでは清掃しにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシが重要になります。

ただし、食べ物が頻繁に詰まること自体が、歯周病による歯周組織の変化や歯の形態・位置などと関係している場合もあります。

「詰まったから取れば終わり」ではなく、繰り返す場合は原因を確認することが大切です。


④ 親知らずの周囲が炎症を起こしている

特に、親知らずの周囲だけが腫れている場合には、智歯周囲炎の可能性があります。

親知らずが斜めに生えていたり、一部だけ歯ぐきから出ていたりすると、歯と歯ぐきの間にプラークや食べかすがたまりやすくなります。

その結果、周囲の歯ぐきに炎症が起こり、

  • 奥歯の奥が腫れる
  • 口を開けにくい
  • 噛むと痛い
  • 飲み込むと痛い
  • 腫れが強くなる

などの症状が出ることがあります。

特に一番奥の歯ぐきが腫れている場合は、親知らずの状態も確認する必要があります。


⑤ 歯の根が割れている

頻度は高くありませんが、歯の根が割れていることが原因で、歯ぐきが腫れる場合もあります。

特定の歯の周囲に繰り返し腫れが起こる場合や、噛んだときに違和感や痛みがある場合には、歯の根の状態を確認する必要があります。

歯の根の状態は、見た目だけでは判断できないことがあります。

そのため、歯周病の検査だけでなく、歯の状態やレントゲンなどを含めて診査することが重要です。


⑥ 歯みがきによる刺激

歯ぐきの腫れは、強すぎる歯みがきなどによる物理的な刺激によって起こることもあります。

特に、

  • 硬い歯ブラシを使っている
  • 力を入れてゴシゴシ磨いている
  • 同じ場所を強く磨いている

といった場合には、歯ぐきに負担がかかることがあります。

ただし、

「歯ブラシが原因だから歯周病ではない」

とも限りません。

プラークによる炎症があるところに、さらに強いブラッシングによる刺激が加わっている可能性もあります。

そのため、歯ぐきが腫れている場合には、歯みがきの方法だけでなく、歯ぐきそのものの状態を確認することが大切です。


歯ぐきが「全体的に」腫れているのか「一部分だけ」腫れているのか

歯ぐきの腫れを考えるとき、どこが腫れているのかは重要なポイントです。

歯ぐき全体が赤く腫れている

→ プラークによる歯肉炎・歯周炎などが考えられます。

何本かの歯の周囲が腫れている

→ 歯周病を含め、プラークの付着状況や歯周ポケットなどを確認する必要があります。

1本の歯の周囲だけが腫れている

→ 歯の根の炎症、歯根破折、局所的な歯周病、異物の挟入など、別の原因も考える必要があります。

一番奥の歯ぐきが腫れている

→ 親知らずの周囲の炎症も考えられます。

このように、「どこが腫れているか」は原因を考える上で重要な情報になります。


「腫れが引いたから大丈夫」は危険?

ここは、歯ぐきの腫れで特に注意していただきたいポイントです。

例えば、

歯ぐきが腫れる
↓
数日すると腫れが引く
↓
「治った」と思う
↓
また腫れる

ということがあります。

しかし、腫れが引いたことと、原因がなくなったことは同じではありません。

特に歯周病の場合、症状が目立たなくても歯周組織の炎症が続いていることがあります。

歯周病は、痛みなどの自覚症状が少ないまま進行することがあるため、

「今は腫れていないから大丈夫」

とも限りません。


歯周病かどうかは「歯ぐきの腫れ」だけでは判断できない

では、歯周病かどうかをどのように確認するのでしょうか?

重要なのは、歯ぐきの見た目だけではなく、歯を支えている組織の状態まで確認することです。

歯周ポケットの深さ

歯と歯ぐきの境目にある溝の深さを測定します。

歯周炎では、歯を支える組織の破壊に伴って歯周ポケットが形成され、深くなることがあります。

プロービング時の出血(BOP)

歯周ポケットを測定した際に出血するかどうかを確認します。

これは、歯ぐきの炎症状態を評価する重要な指標の一つです。

歯の動揺

歯がグラグラしていないかを確認します。

プラーク・歯石の付着状態

歯周病の原因となるプラークや、それが石灰化した歯石がどの程度付着しているかを確認します。

レントゲンによる歯槽骨の確認

歯を支えている歯槽骨がどのような状態になっているかを確認します。


こんな「歯ぐきの腫れ」は一度チェックを

次のような症状がある方は、一度歯科医院で確認することをおすすめします。

□ 歯ぐきの腫れを何度も繰り返す

□ 歯みがきで血が出る

□ 腫れた場所から膿が出る

□ 歯がグラグラする

□ 口臭が気になる

□ 歯ぐきが下がってきた

□ 歯が長くなったように見える

□ 歯と歯の間に物が詰まりやすくなった

□ 特定の歯だけ何度も腫れる

□ 親知らずの周囲が腫れている

これらの症状が複数ある場合は、歯周病を含めて原因を調べることが大切です。


歯ぐきが腫れたら、まず何をすればいい?

歯ぐきが腫れたときに大切なのは、「なぜ腫れたのか」を確認することです。

プラークが原因となっている場合には、歯みがきや歯間清掃によってプラークをきちんと取り除くことが重要です。

一方で、歯の根の炎症や親知らずの炎症など、別の原因がある場合には、それぞれに応じた治療が必要になります。

そのため、

「とりあえず腫れが引くまで待つ」

を繰り返すのではなく、何度も腫れる場合には一度原因を調べておくことをおすすめします。


武蔵小山で歯ぐきの腫れが気になる方へ

歯ぐきが腫れたとき、

「歯周病かな?」

と考えるのは自然なことです。

しかし、歯ぐきの腫れだけで歯周病と判断することはできません。

よしだ歯科クリニックでは、歯ぐきの状態だけを見るのではなく、

  • 歯周ポケットの深さ
  • プロービング時の出血(BOP)
  • プラークの付着状態
  • 歯石の状態
  • 歯の動揺
  • 歯槽骨の状態
  • 腫れている歯そのものの状態

などを確認し、歯ぐきが腫れている原因をできるだけ正確に見極めることを大切にしています。

歯周病の場合も、目標は歯周病菌を完全にゼロにすることではありません。

口の中にはさまざまな細菌が存在しているため、歯周病の原因となる細菌の働きをコントロールし、歯を支える歯周組織を健康な状態に維持していくことが重要です。

「最近、歯ぐきが腫れる」

「一度引いたのに、また腫れた」

「痛くないけれど、歯ぐきが以前より腫れている気がする」

このような変化があれば、症状が強くないうちに一度、歯ぐきの状態を確認してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
よしだ歯科クリニック 院長 吉田浩一
東北大学歯学部卒

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